<Header>
<Author: 李嶠>
<Title: 奉和幸韋嗣立山莊侍宴應制>
<Format: 格式不明>
<Year: 1964>
<BookName: 唐詩選　上>
<Translator: 斎藤晌>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 「韋嗣立の山莊に幸す」に和し奉る>
<BookPage: 264>
<UsedPage: 1>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
南洛師臣契，
東巖王佐居。
幽情遺紱冕，
宸眷屬樵漁。
制下峒山蹕，
恩回灞水輿。
松門駐旌蓋，
薜幄引簪裾。
石磴平黃陸，
煙樓半紫虛。
雲霞仙路近，
琴酒俗塵疎。
喬木千齡外，
懸泉百丈餘。
崖深經鍊藥，
穴古舊藏書。
樹宿摶風鳥，
池潛縱壑魚。
寧知天子貴，
尚憶武侯廬。
<End Poem>
<Translation>
今上(中宗皇帝)は重臣の韋嗣立を特に敬愛されて、これを師として待遇しておいでなる。その章公の住所はどこかといえば、東山の岩石の奥にかまえられた山莊である。韋公はこの山中の幽邃な趣を愛して紱冕をつける貴顯の身分をわすれ、天子もまた特別の恩寵から、わざわざぎごりや漁父といっしょにくらす公の生活を観察しようとなされるのだ。そこで驪山の温泉宮からの歸り道に、この山に立ち寄るように御沙汰があった。鸞輿は灞水のほとりをめぐって、いよいよ韋公の山莊まで到着した。さて門がまえといえば、松の大木が道をはさんでそびえているのがそれで、旗指物や車の絹蓋がそこへ立ちどまった。いかめしく衣冠をつけた百官が扈從してはいるところは、つたかずらの茂みが幔幕がわりになっているところである。石段をだんだんに登って行けば、太陽の行く黄道に達するのではないかと思われ、靄のかかった樓閣は山上の高いところにあるので、半分は空中に浮かんでいるように見える。光り映える雲のたたずまいは、仙界にはいる道も近いかと思われる。琴瑟のもてなし、酒盃の興も俗塵を遠さかったこの境でこそと羽化登仙の心地にさそわれる。あたりを眺めると、高くそそりたつ木々は、みな千年以上を經た老樹だし、そこへ百丈あまりもある瀧が白いしぶきをひびかせて落ちている。深い斷崖の奥には、仙人が不老不死の薬を練った場所であろうか。古い岩窟は、これもむかし書籍を藏したあとではあるまいか。鬱蒼と茂った林には風に羽うって飛ぶ大鳥が棲息しており、大きい池の中には谷をわがもの顔にして自由に泳ぎまわる魚がひそんでいる。
今上陛下は天子の貴い身分をもかえりみられず、まるであの蜀の劉備が諸葛孔明の草廬を訪問されたときのような御心境になっておいでになるよぅす、まことにもったいないありがたい次第である。
<End Translation>
<Formatted Translation>
今上(中宗皇帝)は重臣の韋嗣立を特に敬愛されて、これを師として待遇しておいでなる。
その章公の住所はどこかといえば、東山の岩石の奥にかまえられた山莊である。
韋公はこの山中の幽邃な趣を愛して紱冕をつける貴顯の身分をわすれ、天子もまた特別の恩寵から、
わざわざぎごりや漁父といっしょにくらす公の生活を観察しようとなされるのだ。
そこで驪山の温泉宮からの歸り道に、この山に立ち寄るように御沙汰があった。
鸞輿は灞水のほとりをめぐって、いよいよ韋公の山莊まで到着した。
さて門がまえといえば、松の大木が道をはさんでそびえているのがそれで、旗指物や車の絹蓋がそこへ立ちどまった。
いかめしく衣冠をつけた百官が扈從してはいるところは、つたかずらの茂みが幔幕がわりになっているところである。
石段をだんだんに登って行けば、太陽の行く黄道に達するのではないかと思われ、
靄のかかった樓閣は山上の高いところにあるので、半分は空中に浮かんでいるように見える。
光り映える雲のたたずまいは、仙界にはいる道も近いかと思われる。
琴瑟のもてなし、酒盃の興も俗塵を遠さかったこの境でこそと羽化登仙の心地にさそわれる。
あたりを眺めると、高くそそりたつ木々は、みな千年以上を經た老樹だし、
そこへ百丈あまりもある瀧が白いしぶきをひびかせて落ちている。深い斷崖の奥には、
仙人が不老不死の薬を練った場所であろうか。
古い岩窟は、これもむかし書籍を藏したあとではあるまいか。
鬱蒼と茂った林には風に羽うって飛ぶ大鳥が棲息しており、大きい池の中には谷をわがもの顔にして自由に泳ぎまわる魚がひそんでいる。
今上陛下は天子の貴い身分をもかえりみられず、
まるであの蜀の劉備が諸葛孔明の草廬を訪問されたときのような御心境になっておいでになるよぅす、
まことにもったいないありがたい次第である。
<End Formatted Translation>